幸恋‐ユキコイ‐

「なんか、いっぱい泣いたら眠くなっちゃった」


「寝ていいよ。
俺、もう帰るし」


彼の言葉に私は首を横に振った。


「最近ね怖い夢見るから私が寝付くまで居て欲しいな」


私は枕に体を沈めて言った。

笑いかけると奏太は照れたように私を見た。


「キス、していい?」


奏太の予想外の発言に私は小さく頷いた。


「そんなの一度も聞いたことなかったくせに」


「だって冷静になってみるとここ一応病院だし」


フフッと笑うと奏太も笑った。

ゆっくりと重なる唇。


キスもこれが最後になるのかな。


「手、握って…」


「はいはい」


私の要求を素直に聞いてくれて奏太は私の手に自分の手を重ねた。


「今日の幸未、素直で可愛いよ」