奏太の真っ直ぐな瞳が私を捉える。

私の中で張りつめていた糸のようなものがその瞬間プツンと切れた。

それと同時に大量の涙が溢れだす。


「かっ…なた…」


「大丈夫。
今、思ってる事全部吐き出して」


奏太は私の頭の後ろに手を添え自分の胸へと引き寄せた。


「本当は…こ、怖いのっ
眠りにつくとっ…も、う2度と起きれないんじゃないかって…」


「うん」


「うっ…ふ・・・
かなっ・・・た。わ、私死にたくないのっ…」


死にたくない。
死にたくない。

病気になったときから死は受け入れたつもりだった。

心の準備も出来てるはずだった。


なのに怖い。


ずっと奏太と一緒に居たい。

笑えない時に笑ってるのって辛かったんだよ?


心のどこかで奏太だけは気付いてくれるって信じてた。


しばらく泣いていると私の前髪に水滴が落ちてきた。


それは彼の涙だった。