結夏と話すのもこれで最後なのかもしれない。

なんとなくわかるんだ。

自分の身体の事だから。
なんて言っていいのかわからないけど今までに感じたことのない違和感がある。

だから、もうすぐなんだ。


「じゃあ、またね」


「バイバイ」


結夏が帰っていくとき私は“またね”を言わなかった。
“また”なんて無い気がしたから。


私がいなくなってみんなの心の中に残るなら私は笑顔がいい。
だからずっと笑顔でいるんだ。


“病気で落ち込んでる幸未”


より


“病気に負けずに笑顔でいた幸未”


のが絶対いい。


結夏が帰った後、私はお母さんに買って貰ったレターセットに手紙を書いた。


お母さんとお父さん。


結夏。


そして私の大好きな人


奏太に。


書いた手紙は全部、宝物入れだったお菓子の缶の中へ入れた。