幸恋‐ユキコイ‐

「そうか。じゃあまたな」


「ゴメンね。またね」


私は奏太に手を振り笑顔で言った。

ゴメンね。
本当は嘘なんだ。

やりたいことがあるんだ。

まだまだ伝えたいことがあるから。



奏太が帰った後私はお母さんに電話した。


「もしもし、私」


『あ、幸未?どうしたの?
体調悪い?』


「ううん。
明日ね買って来て欲しいものがあるんだ」


『買って来て欲しいもの?』


「そう」


最後の思いを伝えるために私はある事をする。


私がいなくなって悲しみに暮れててもちょっとでも元気が出るように。