幸恋‐ユキコイ‐

「いや、夏休みに入って受験一色になったから2学期にはほぼ収まったよ。
卒業式の日にそいつ等に謝られたし」


「謝られた?」


「うん。
ゴメンって。
あと、まだ好きなんだって言われた」


「OKしたの?」


「いや、もちろん断った。
だって何で今更って感じじゃん」


ハハッと笑う奏太。
私もつられて笑う。


「幸未は?
俺の事、教えたんだから幸未の事も教えてよ」


「えー私?
別に聞いても面白くないよ?」


「いいから!」


奏太の強い押しに負けて私は自分の事を話した。



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「幸未ちゃん、そろそろ面会時間終わるよ」


伊藤さんに声を掛けられるまで私たちはずっと話し続けていた。


「じゃあ、また明日来るな」


「あ、明日は家族3人で過ごしたいんだ。
だから明後日ね」