『もう時間だよ。
行かなきゃ』


またあの人の声…
やだよ。

絶対まだ死なないから。


『早く、行くんだ』


その瞬間、黒くて太い手が伸びてきた。
そして私の腕を掴む。


やだ!離して!


大声で叫ぼうと思った。
なのにどんなに力を入れても声が出ない。


離してよ!
誰か助けて!

奏太…
奏太…


助けて、奏太。

まだ一緒に居たいよ…



―――――――――――――――

「ゆ…きみ・・・幸未!」


目を開けるとそこは病院の天井。

私は奏太に揺さぶられていた。


「奏太…?」


私、寝てたはず。

奏太を見るのは久しぶりだった。

私の生きれる時間を知らされてから3日。