幸恋‐ユキコイ‐

そっと掴み自分の薬指にはめる。

この指輪を見るたびに幸せを感じれる。


―――ガラッ


勢いよくドアの開く音がした。

ドアの方を見ると奏太が立っていた。


「奏太・・・・」


奏太は何も言わず私の方へ来た。

そして私を引き寄せ優しく抱きしめた。


「か…なた…?」


「目が覚めて良かった…
怖かったんだ。
このまま幸未と話せずに別れることになるのかなって不安だった」


奏太の声は少し震えていた。

ごめんね。
私のせいで。


「ゴメンね。
もう大丈夫だよ」


私はそっと彼の背中に手を回した。


「会いたかったよ、奏太…」


「幸未…」


そんな苦しそうな声出さないでよ。

私、まだ生きれるんだから。
奏太を一人ぼっちにはしないから…


「心配かけてごめんなさい」


「いいんだ。
またこうして触れ合えるだけで幸せだから」


私たちはずっと抱き合っていた。