「歌穂～これ持ってぇ」


「うん・・・いいよ」


歌穂がそう言った。

歌穂の周りにいる３,４人の女子が一斉に歌穂に自分の持っていた教科書や筆箱を持たせた。

たくさんの荷物を持った歌穂は重いのかまっすぐ歩けてない状態だった。

そしてその中の一人が歌穂に足をかけた。


バサバサッ！


その足に引っかかった歌穂は転んだと同時に荷物を床に散乱させた。


「ちょっと！何やってんの？！」


「やだぁ～荷物汚れちゃう」


「ご、ごめんね」


歌穂はゆっくり立ち上がり苦しそうに笑った。


「ほんと、歌穂ってば鈍臭いんだから！」


「それ、ちゃんと理科室に持ってといてよね」


そう言って彼女たちは理科室に入っていった。


歌穂は落とした教科書などを広い集めていた。

俺も近くに行って手伝おうと思ったが授業開始のチャイムが鳴ってしまったため仕方なく教室に戻った。