幸恋‐ユキコイ‐

「コラッ!彼女がいる前で堂々と浮気しないの!」


結夏が助け舟を出してくれた。

結夏ありがとう!
私は結夏に感謝の視線を送る。


「分かってるって。
もしいなかったら部の奴ら紹介しようと思ったんだよ」


「残念でしたー
幸は素敵な彼氏がいるんです!
そうだよね?」


「え…あ!う、うん」


急に話を振られて驚きつつも大きくうなずいた。

っていうか、この人軽い…
なんで結夏がこの人と付き合ってるのかわからなくなってきた。

馴れ初めを聞いたときには素敵だなって思ったけどさ…



ジュースを買ってくる、と言って結夏は駆け出してしまった。
その結果、私と友翔くんだけが残される。


「・・・・」


どちらともなく沈黙が流れる。


「あのさ!」


でもそれを破ったのは友翔くんの方だった。


「さっきは軽そうに見えたかもだけど結夏との事本気だから」


「は?」


突然そんなことを言われて目を丸くする。


「さっき、顔に出てたからなんとなく…」