幸恋‐ユキコイ‐

――ピィーーッ

ゴールしたと同時に鳴った試合終了のホイッスル。

友翔くんの方のチームは彼に一斉に駆け寄り喜び合っていた。


「やった!勝ったよ!」


「うん!友翔くんサッカー上手なんだね」


そんな会話をしながら控室に向かう。
試合後のミーティングが終わったら会う予定らしい。


「幸に紹介するね!」


「うん!
あ、結夏。病気の事は…」


私が全部言い終わる前に「あぁ」と理解したようだった。


「言ってないよ。
そんな彼氏にまで親友のプライベート言ったりしない」


「そっか、ありがとう」


改めて結夏の事好きだと思った。

私たちは控室の前のベンチに座って彼を待った。


――数分後…


「結夏!」


控室のドアが開き選手たちが出て来た最後の方に彼はいた。


「友翔!」


結夏は立ち上がり手を大きく振った。
笑顔で友翔くんが近づいてくる。