幸恋‐ユキコイ‐

結夏、曰く1点リードしてても油断はできないらしい。

後半が始まっても友翔くんは出なかった。

1点リードしてるって思ってた矢先、敵チームがゴールを決めた。


「うっそ!このタイミングで同点?!」


結夏は1人焦っていた。
結夏たちの学校が選手交代の合図を出した。

もしかして・・・?


「幸!友翔でるよ!
あれだよ!背番号7番の、黒髪の人!」


「え?どれどれ?」


私は結夏が指さす方向に視線を向けた。
目を凝らしてよく見ると短髪のさわやかそうな男の人が屈伸をしていた。

顔はよく見えないけどカッコよさそう。

試合が再開された。

両者共に攻め続けているけどなかなか得点には結びつかない。


「幸!友翔、ボール取ったよ!」


肩を叩かれて私は背番号7を探した。

友翔くんはボールを蹴って一旦、味方にパスを回す。

そしてゴール付近まで一気に走りまた友翔くんにボールが回った。

彼はヘディングをしてそのボールは綺麗にゴールの中へ吸い込まれていった。