幸恋‐ユキコイ‐

「サッカーしてる姿はカッコいいの!
来週、試合があるから幸、一緒に行こうよ」


「うん、結夏の彼氏見てみたいな」


「紹介するから!」


―――――――――――――


「あ、幸!こっち!」


「結夏!待ってよ~」


1週間後、私と結夏は友翔くんの試合を観に隣町の運動公園まで来た。
結夏は私を差し置いてどんどん前に進んで行く。

走るのは禁止されてるから私は早歩きでついていく。


「幸!ここだよ。
試合、始まる」


「どれ?友翔くんいるの?」


結夏はグラウンドに視線を向けた。
そしてホイッスルの音と共に試合が始まった。


「…まだ出てない。
きっとケガ、治ったばかりだから後半しか出さないのかも…」


結夏はため息をついた。
サッカーのルールなんてわからないからただ眺めるだけ。

私とは対照に真剣に試合に目を向ける結夏。

ぼーっとしてる間に前半終了のホイッスルが鳴った。
得点は1-2。

結夏たちの高校が1点リードしている。