幸恋‐ユキコイ‐

何から話そうか?
たくさんあって悩む…


「私のお母さんは栄養士。
お父さんは出版社に勤めてるの」


だからお母さんは料理がすごく上手。
そのおかげで栄養失調だけはならなかった。

お父さんはいつも忙しいけど時々、余った本を持ち帰ってくる。
私が本を好きなのはその影響なんだ。


「私はお父さんもお母さんも大好きなんだ」


私たちは家族の面白話や過去の出来事を話した。
そしたらあっという間に夜になってしまった。

夕飯は作り置きしてある、というカレーを食べた。


「幸未、お風呂沸かしたよ。
先、入ったら?」


「うん。じゃあ、入るよ」


私は衣類を持ってバスルームに向かった。
服を脱いでお湯に浸かる。

ついに夜になっちゃった・・・・

泊まりって事はそうゆう事だよね?


今日、私は奏太としてしまうのかな?


色々な考えが頭の中に浮かんできてお風呂の事はよく覚えていない。


「奏太、お風呂出たよ」


リビングに行くと奏太の姿はなかった。

二階かなって思って階段の方へ行くと電気が点いていた。
階段を上がっていくと一部屋だけドアから光が漏れていた。


2回ほどノックするとドアが開いた。


「あ、幸未」


「奏太、下にいなかったから探しちゃった」


勝手に上がってきてゴメンね、と謝ると奏太は顔を背けた。