「行こう!」


「あ、ちょっと待って」


奏太は立ち止まって私の耳元に顔を近づけた。
どうしたんだろう…?


「ワンピース、よく似合ってる。
可愛い」


「っ」


奏太の予想以上の発言に私の顔は一気に赤くなる。


「真っ赤」


「う、うるさい!」


私は両手を頬に当て言い返す。
なんで、そうゆう台詞を突然言うかなー!


「最初、映画でいい?」


「う、うん」


私達は公園を出て街へと向かった。


――――――


映画館に着くと新年2日目だから人は割と少なかった。

やっぱり皆、家でゆっくりするんだね。


「友達がおススメだって言ってたんだ」


そう言って選んだのは人気俳優と若手女優が主演の恋愛映画。


「映画代ぐらい自分で出すよ」


「いいって。奢らせてよ」


今、私たちは映画のチケットについて揉めていた。