買い物を終えて結夏は私の家に来た。

私の部屋に入り勝手にクローゼットを開けられる。


「このコートと黒のタイツ！
タイツじゃちょっと寒いだろうからこのムートンブーツで！」


あっという間に結夏は私の洋服一式を揃えてくれた。


「髪の毛は下ろしてってサイドを編込みしてね。
あと去年の冬に買ったピンで止めて」


私の髪留めやアクセサリーはほとんど結夏と一緒に出掛けた時に買ったものだ。
だから彼女は私の持ってる物を知ってるんだ。


「ありがとう、結夏。
ありがとう…」


私は何度もお礼を言った。


「いいって！ウチら友達でしょ？」


結夏の言葉に大きく頷いた。
それから少し他愛もない話をして日が沈みかけた頃、結夏は帰って行った。


「明日、楽しんできなよ！
ケンカしたらあたしが許さないから！」


そんな冗談を言い残して。


服も髪型も決まった。
あとは明日になるのを待つだけだ。

まだまだ時間はあるのに私の胸はいつもより鼓動が早く打っていた。