幸恋‐ユキコイ‐

私は流しで手を洗った。


「私は何をすればいい?」


「じゃあ鍋に汁があるから丼ぶりに分けて。
蕎麦はもうすぐ茹で上がるから」


私は鍋の蓋を開けた。
湯気とカツオ出汁の匂いに包まれる。

当たり前の匂いなのに幸せな気持ちになった。


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「いただきます」


久しぶりの家族団らん。

お母さんの久しぶりの手料理はとても美味しくて

1人じゃないご飯も久しぶりでとても楽しかった。


「幸未、結夏ちゃんのところへ2日と3日泊まりに行くんだろ?
友達と遊ぶのも久しぶりなんだから楽しんできな」


お父さんに言われて、え?、と戸惑う。

泊まりに行くのは奏太の家であって結夏じゃない。
お母さんが伝えてくれたはずだけどもしかして誤解されてる?

お母さんの顔を見るとニコッと笑って私に小さくウインクした。


「うん、楽しんでくるね!」


そっか。
きっと彼氏の家に泊まることなんてお父さんは許してくれない。

だからお母さんは『結夏の家』って言ってくれたんだ。