「ありがとう、大事にする」


奏太はそう言って微笑んだ。

そして彼は自分のカバンの中を探り始めた。


「これは、俺から」


そう言って白とピンクの箱を私の手に乗せた。


「開けていい?」


奏太が頷く。
私はゆっくりと箱を開けた。


「え…これって…」


箱の中身に私は戸惑いを隠せなかった。


「ペアリング」


やっぱりそうだよね…

箱の中身はシンプルなリングだった。


「どうして…?」


「ずっと一緒いるっていう誓いの印」


「でも…私、病気で…」


「俺は治るって信じてる。
1年後も5年後もその後もずっと幸未が俺の傍にいるって信じてるから」


奏太の意外すぎる言葉に涙腺が緩む。


「『未来が幸せになる』で幸未だろ?
だから一人で抱え込まないで二人で頑張ろう」