「行こうか。」 そう呟いてあたしたちは特別棟の玄関に近づいた。 「ふ~ん、指紋と声紋認証だって。 これじゃあ入れるわけないな。」 あたしがそう言うと二人も鍵を覗き込む。 「ホントだ。ここまで徹底するとかすごーい。」 「上には防犯カメラ。 どこからこんなお金が来るんでしょうか。」 奈緒はそういうと肩をすくめる。 「まぁ、まずは開けてもらおうか。」 あたしはそう言うとインターホンを押した。