俺は、ずっとその間、影から動けなかった。 …正確には、見とれていて動けなかった。 雨宮 音羽の戦い方は決して無駄がなく、柔らかくしなやかな美しい動きだった。 日本刀を振りおろしたときに飛び散った血が、薔薇の花弁のように見えた。 そこにいる雨宮 音羽は、まるで孤高に咲いた薔薇のようだった。 雨宮 音羽の殺し屋の通り名が『ローズ』というのがとてもよく分かった瞬間だった。