-------こんなに盛り上がらない飲み会ってあるのだろうか。
藍も剛も無口な方ではない。
でも、一切喋らない。
オレと遥が、どうでもイイ話をし続けた。
飲み会自体は全然楽しくないが、『2人きりにさせない』という目的は達成した。
そのうち
「・・・・・・・ごめん。 ワタシ、帰る」
藍が立ち上がる。
「藍、送る」
藍を追う様に剛も席を立った。
「藍は大貴が送りなよ、彼氏でしょ??」
遥が『2人で帰らせてどうすんのよ』とオレの足を踏みつけた。
・・・・・・・地味に痛いし。
「・・・・・・・遥は剛と帰るの??」
遥だって女の子だ。 誰かに送ってもらった方が良い。
「・・・・・・剛が嫌でしょ。 ワタシはタクシーで帰る」
遥が切なそうな顔で苦笑いした。



