「結婚する前に知れて良かったって言ったのは本当。 でも、この苦しさを、怒りをどうすれば良いのか分からないんだ。 藍を困らせたりするのも違うって分かってる。 だけど・・・・・・藍はもう、オレの事は全然好きじゃない?? オレ、後悔してるよ。 藍を選ばなかった事。 ・・・・・・ねえ、藍。 オレの傍にいてよ」
剛が、藍の手を『ぎゅう』と握った。
「・・・・・・・・それは、ワタシを『好き』って事じゃないじゃん。 『辛いから傍にいて』って事だよね??」
藍が剛の手をそっと退けた。
「・・・・・・藍は、オレとのキス、嫌だった?? ・・・・・・オレはもっとしたいと思ったよ」
今度は藍の肩をガッチリ掴む剛。
「・・・・・・嫌じゃないよ。 だって、剛の事好きだったもん。 でも、剛は『昔好きだったヒト』。 ワタシが好きなのは大貴だから」
藍はきっぱりオレを好きだと言ってくれた。
藍は正直な気持ちを言ったのだと思う。
でも、嘘でも『嫌だった』と答えて欲しかった。



