「・・・・・あのさ、会社にワタシしかトモダチがいないって問題じゃない??」 『他にも大問題があるんですよ』の意を込めて、剛に視線を送る。 「・・・・・・イヤな言い方するね、藍」 剛がそっとワタシの腕を離した。 剛が、明らかにワタシに嫌悪感を持っている。 『遥、不倫してるんだよ』 ・・・・・・・・言ってしまおうか。 のどまで来ている言葉を、吐き出せなかった。 剛の悲しむ顔を見たくなかったから。