「仲直りしろよ。 遥、会社に藍しかトモダチいないの知ってるだろ!?」





確かに遥には、ワタシしかトモダチがいない。





遥は見た目が可愛くて、男性社員にモテモテで、俗に言うぶりっ子だ。





女子は大概ぶりっ子が嫌いらしいけど、ワタシは別にそうでもないので、その辺が全く気にならなかった。





だって、ぶりっ子ってだけで、害を与えてるワケでもないし。






それに、程度に違いがあるだけで、女子ってみんな男の前では自分を良く見せようとするモンだと思うし。






逆に、そうしない女を見た事ないし。






『ありのままの自分を見せる』って、そうそう出来るワザじゃないし。






可愛く見えているかは置いといて、ワタシだってするし。





命磨り減る位必死に自分を可愛く見せようとするし。





ただ、結果が出ないだけで。





男だってそうだと思う。 女の前では誰だってカッコ付けるモンだと思うし。





だから、『ぶりっ子キライ』って言う女の方が『ワタシ、嘘付けないタイプなので』とか言ってるヤツくらい怠い。






その点、遥は清々しい程にぶりっ子だった。