「そんな顔で言われても信じられないよ」



私、今そんなひどい顔してるのかな……



「ちょっとね、考え事してて……」



少しずつ離れる私と少しずつ近づいてくる響。



「ふぅん?」



もっ、もうっ、居づらいよっ……!



「ちょっ、ちょっ、近いっ…」



「うん、知ってる」



迫ってくる響の顔。



「ぅ、ひゃっ」



背中が壁に当たった。



なっ、なんなのこの声っ!



掴まれてた左手にはいつのまにか響の指が絡みついていた。



「あと三センチ、かな」



「っ」