「電気消すよー」



響の言葉にカタログを閉じた。



「うん」



大きなテレビに、手元のランプだけの暗い部屋。



本当に映画館みたい。



「あの、今日のためにお金どのくらいかかったの?」



「…………別に、舞依が喜ぶならって思ったら全然高くなかったけど」



てっ、照れることをまた恥ずかしげもなく言ってくれるね。



「俺ここにいるためならなんだってできる」



ぎゅーっと抱き締められた。



ちょっと前まで私も全く同じこと思った。



「私もだよ」



響を好きになってよかった。