「安心、て……」 「帰ってきたら舞依がいない生活は辛い」 「そんなことないでしょ……私がいても本ばっかり見てたし……」 「あっ、あれね、試験だった、合格したおかげで月給倍増」 「終わった、の?」 「うん、終わった終わった、やーっと終わった」 これで舞依の相手できるよ、って呟かれた。 なんか、小さい子供みたい。 え?私が? 「あ、手出して」 反射的に出たのは右手。 「こっち?」 そして響の手にはさっき買ったばかりの指輪。