自然と、しっかり握られた手。 「ね、あの、さ」 「なに?」 「好き」 「……知ってるよ、俺が舞依にベタ惚れなんだから舞依だって俺のこと嫌いなわけない」 ………どこから来たんだ、その自信。 でも何気なく言ってくれた。 "俺が舞依にベタ惚れ"って。 「ほら、早く帰ろ」 「うん」 これでなにもかも元通り。 私は響の隣の部屋に帰れる。 「DVD借りて帰る?」 「え、なんで?」 「DVD見始めたら 舞依、うちに留まるから」