「ひゃあっ!」 突然耳元に響いた響の低い声。 「あ、あの……」 「なに?決まった?」 「私は……もう彼女ではないのでは……」 「あ?」 「ひ、あなたが…指輪をあげたいのは……大学のときの知り合いの子なのでは……」 「舞依、大学からの知り合いじゃん」 「私より指が細い子は……」 「嘘に決まってんじゃん?誕生日プレゼントサプライズにしたかったんだから」 響の向こうにいる店員さんが頷いて笑った。 「で?決まったか?」 「……ありがとう」