「あの?え、どの?」 「とぼけないでよ!」 私、知ってるんだからね。 「記念日、いたでしょ、女の人と!」 「あ」 「私に嘘ついてどっか行ったのも…この前あの人がここに泊まったのだって知ってる」 「は?泊まったっ、て、誰が?」 「まだとぼけるの?」 とぼけてる響に、本気で腹が立つ。 「もういいっ!」 「待てよ!」 いつもみたいに響の部屋を飛び出そうとしたけど今回は捕まった。 「舞依は、いつもそうだよな」 呟くように言う響。