暑いし。 玄関の中で待たせてもらおうかな。 お邪魔します、と呟いて玄関に腰かけた。 「お待たせしましたー、さ、行きますよ」 ボッサボサだった髪の毛を整えて服装を改めた響が玄関に姿を現したのはそれから数分後。 「行くってどこに?」 「その箱の中身買いに」 「箱?」 思わず視線は手元の紙袋へ。 「ほら早く」 「え?あ、はい?」 待って待って。 何 言ってるの? 「指輪、は、あの大学の時の知り合いにあげて、私にはその箱?」