「どうした?」 心配そうに響の顔が歪む。 あぁ、心が痛いよー…… 「今日は、もう疲れちゃった 」 「……俺が、遅くなったから?」 「そうかもね」 苦笑い、ってこれなんだろうね。 「響はまだいいよ、私一人で帰れるから」 「んなこと言ったって……」 「じゃあね」 喜んでいいよ? 解放されるんだよ。 思う存分、あの女の子と一緒にいていいんだよ。 響の腕から力が抜けたのを確認して私は響から離れた。