そういう響に耐えられなくなって私は指輪をはずして店を出た。 ひどいよ、響。 ひどすぎる。 響がお店から出てきたのはそれからしばらくしてからだった。 なんとも性格の歪んでる女だ、と思いながら響が出てきたのを見計らって速めに歩き出した。 響は、追いかけてくれるだろうか。 「舞依っ!」 …………追いかけてきてくれた。 なんか、名前で呼ばれたのが久しぶりで違和感感じるよ。 「舞依!」 ガッと手を掴まれた。 「響、ごめん」 「は?」 「ごめん、ごめん響」