私、馬鹿だ。



完璧に馬鹿。



「あ、行きたいとこあるんだけどいい?」



「いいよ」



軽い気持ちで答えてから、連れてこられたのはなんとなんとジュエリーショップ。



「誰かに、プレゼント?」



「うん、大事な人に」



大事な、人……



真剣に指輪のショーケースを覗く響。



いいなぁ。響の大事な人、誰なんだろう。



「どれがいいと思う?」



そんなの、私に聞かれたって……



「その人は、響から見てどんな人なの?」



「えぇー?」



響、こんな顔するんだ……。