レストランを出た私たちは手をつないでイルミネーションを見ながら街を歩いていた。



「っきゃあっ!」



足元がグラッとして響の腕にしがみついた。



「大丈夫?」



「大丈夫……じゃ、ないかも」



細いピンヒールはパッキリ折れていた。



あーあ……やっぱり慣れないピンヒールなんて履くものじゃなかったかな。



「どっかで買ってくるか?」



「ううん、いいや、ケーキあるから帰って食べよ?」



「おっ、いいねぇ、手作り?」



「フルーツたっぷりタルト買ってきたの」



「舞依さん?俺知ってるからね、冷蔵庫ん中見たからね」