「もう……絢斗とダメ……」 「とっ、とりあえず、座って話そ?」 まるで自分の部屋のように上がった私を図々しいと思いながらも梨絵を立たせてソファーに座らせた。 「昨日……響くん、家にいた?」 「ううん、絢斗くんと飲みに行くって言って出かけてたよ」 「それ……絢斗と二人っきりじゃないよ」 「あ、そうなの?」 別にそんなこともあると思うけど。 「絢斗、さっき家に帰ってきたんだけど……なに聞いても濁されるし、いつもと違う石鹸の匂いだし……」 次第にうるうるしてくる梨絵の丸い目。