身の回りになんて、お父さんくらいしかいないもん。



「わかるよ、困るね」



「すいません」



ガシッと掴まれた私の肩。



「ひぃぃ」



反射で変な声出たよ……



「落ちましたよ」



梨絵のタイプじゃないほうの、茶髪の人から差し出されたアンクレット。



足元を見るとしっかり外れてた。



「あ、すいません、私のです」



頭を下げて受け取ろうとするとそのまま手を掴まれた。



「響、なにやってんの?」



冷たそうな人が苦笑い。



この人、響って言うんだ。