「じゃ、じゃあっ……帰ろ」 無理してるのは響のほうかもしれない。 そうだよ、私なんかとデート、無理させてしまってるかもしれない。 久しぶりのデートで食べ歩きなんて。 こんなことなら、プラネタリウムとでもいっておけばよかった。 空いてる手で響のパーカーを握りしめた。 どっ、どうしよう。 震えが止まらない。 響にまた面倒だと思わせてしまったことと、服を破られた恐怖が一気に波のように襲いかかってくる。 「舞依、やっぱりまだ風邪治ってないんじゃ……」