週末。



響と食べ歩きに行くために少し遠くまで電車でお出掛け。



満員電車のなかで人にもみくちゃにされながらもなんとか耐えて、駅に降り立った。



「まずどこから行くー?」



食べ歩きガイドブックを広げながら響に尋ねたけど返事なし。



てゆうか、なんで隣にいないの?



まっ、迷子!?



急いで周りを見回すと血相変えてパーカーを脱いでる響が人の波からはずれたところにいた。




「舞依!」



後ろから抱きしめられて響の声。



「これ……着てな」



「突然どうしたの?」