「っ」 恥ずかしくなって、急いで立ち上がる。 「きゃっ」 もう、ハイヒール邪魔。 パンプスを脱いで手に持って、走って家に向かった。 ガチャ。 「ただいま……」 「おかえ……」 先に帰ってたらしい響は、玄関で私を見て固まった。 「雨、降ってた」 苦しすぎる言い訳に、自分でも苦笑い。 「風呂、沸かしてくる」 「ごめん」 「待ってて、今タオル持って……いいや、一瞬待ってて」 寝室に入っていってすぐ出てきた響の手にはタオルケット。