―――5分後。




「でーきた!心瑠は元の顔が可愛いから、ナチュラルメイクにした!」




私は結季ちゃんの声で目を開く。



すると、目の前の鏡に映ったのは………。




「ウソ……これ、私?」




「私、これでもメイク得意なんだからねっ」




まるで別人のような自分だった。




メイクって……すごい。




マスカラとビューラーのおかげで目はぱっちり。
チークで頬はほんのりピンクに色づいて、グロスで唇は綺麗に輝いていた。




「これで、青山くんとデート楽しんできな?」




「え?」




「やっぱり、デートなんだから可愛くした方がいいでしょ?」




結季ちゃん、気をつかってくれたんだ………。



「ありがとう、結季ちゃん」



「どういたしまして。さ、颯希たち待たせてるし行こっか」



「うん!」