「いい匂い~……」




「もう、恥ずかしいからやめてっ」




「だって~……あ!心瑠ちゃん、復縁おめでとう!」




颯希くんが思い出したように言った。




「あ、ありがとうございます!颯希くんのおかげですっ」




「いやいやそれほどでも~……てかアイツ、王子様キャラやめたのは良いんだけど、いくらなんでも女子に冷たすぎる気が……」



「え?」



ふと、勇吾の方を見るとある女子に話しかけられていた。




「ねぇ、青山くんさっきの授業のこの問題の解き方教えて~」




「無理。他のヤツに聞けよ」




勇吾は冷たく言い放つと、机に伏せた。
女の子は寂しそうな目をして去っていく。




「ほんとだ……前と全く態度が違う……」




もう180度キャラが変わっちゃってるよ……。




「まぁ、いいんじゃない?心瑠にだけ優しいってなんか特別って感じじゃん?」



結季ちゃんの言葉に嬉しくなる。



“特別”……!
私は勇吾の特別なの、かな?