「あとさ、心瑠……もっと俺にワガママ言え。もっと甘えろよ……な?」




え……?




「いいんですか………?」




「当たり前だろ?ワガママ言えるのは彼女の特権」




「……はい!」




笑顔でうなずいた。
また……彼女になれたんだ……。




「あ……なんで私がここにいるってわかったんですか……?」




「心瑠を追いかけて昇降口まで行ったら咲野がいてさ。一緒に帰ろうって言ってきたんだけど、そのときにちょうど心瑠の声が聞こえてさ……『青山くん、助けて』って」




「そう、だったんですね……助けてくれて……嬉しかったですっ」




「当たり前。大事なヤツに助け求められたら行くに決まってんだろ」




“大事なヤツ”って言葉が嬉しかった。
青山くんにとって私は大事な存在になれたんだって。




「あー、それとさ」



「は、はい!」