あー……眠みぃ。
なんで女ってあんなキャーキャーうるせぇんだよ。
ほんとめんどくせぇ。
ちょっと優しくしただけで「好きです」とか告ってきやがって。



まぁ、この王子キャラの方が先生ウケもいいし告白されたときも断りやすいから、何かと得すること多いと思って自分から始めたんだけど。
でも、すっげぇ疲れる。



「蒼空ーっ!!」



昼休み、昼飯をなににしようかと食堂の椅子に座っていたら後ろから誰かに抱き着かれた。



ソラ……?



振り向くと、同じクラスで隣の席の横谷心瑠がいた。



たしかコイツって……学年1モテるとか聞いたことがある。
本人は全く自覚ないらしいけど。



おそらくソラっていうのは、隣のクラスの藤堂蒼空のことだ。
噂によると幼なじみらしいし。



ソイツときっと人違いしたんだな……。



「え?……横谷、さん?」



とりあえず首を傾げる。



「あ、青山くん……」



人違いしたとわかった横谷心瑠は、顔を真っ赤にして慌てて俺から離れた。