すると私の顎をくいっと持ち上げた。
「逆らったら……キスするから」
「～～っ」
もうほんっと最低っ！！！
心の中で文句を言うけど、やっぱり逆らえない……あんなことしたのは私だもん。
でも……人違いしただけなのにひどくないですか！
「あ、ケータイ貸して」
青山くんがなにか思い出したように言った。
「い、イヤです！！！」
「逆らうの？」
……もう悪魔だ。
あぁ……人違いなんてした自分を殴りたい……。
ケータイをブレザーのポケットから取り出してしぶしぶ手渡した。
すると、青山くんは自分のケータイを取り出してなにかをした。
「はい、俺の連絡先」
返されたケータイを見ると、《青山勇吾》と表示されていた。
