「最初は厄介な人と人違いしちゃった、なんて思ってました。でも今は……青山くんといると楽しいです」



「………心瑠」



「は、はい……!」



「これは……夢か?」



心瑠がこんなこと言うなんて信じられない。
だって俺のこと毛嫌いしてるってずっと思ってたから。



「いえ、現実ですよ」



そう言って俺を強く抱きしめた。



「ほら、あったかいでしょ?」



「ほんとだ……」



心瑠の体温が伝わってくる。
それが現実なんだと教えてくれた。



「なぁ、心瑠」



「はい」



「今すっげぇキスしたい」



もう理性なんてとっくにどこかへ飛んだ。



「え、あ、それはダメですよ……!こんなとこじゃ、みんな見てますっ」



気が付くと俺たちの周りには生徒が集まってキャーキャー言っていた。



ちっ………。
見んじゃねぇよ。