「ど、どこへ……?」
「違げぇーよ。彼女になれってこと」
「で、でも……っ」
わかってるよ。
心瑠が俺を好きなんかじゃないこと。
「お前を俺のモンにしたい」
そう、思ったから。
「え、あの……っ」
顔を真っ赤にして慌てる心瑠。
そんな心瑠が愛おしくて、誰もいない廊下で抱きしめた。
「あ、青山くん……っ」
「アイツ……藤堂蒼空には心瑠を渡したくない」
俺……だっせぇ。
なに焦ってんだろ。
「……なんで私なんですか?」
「え?」
「私なんてその辺の女の子たちみたいに可愛くないし、女子力なんてないし、ドジだし、バカだし……っ」
……バーカ。



