…独りだけであたっていくよりは、断然マシだ。



あたしはそう決心をすると、高井さんと一緒に教室を出た。




「…マジかよ、あいつら」

「勇気あんな……かっけーかも、」




その後教室で、残されたみんながそう言っているとは知らずに。

















そしてようやく女子トイレに辿り着くと、

そこには本当にクラスの女子数名がよってたかって佐伯さんをイジメている姿があった。


確かに、高井さんの言う通りかなり酷い。



水の入ったバケツを佐伯さんにかけたり、蛇口にホースを繋いで水をかけたり、

あるいは足で蹴ったり、掃除用具のデッキブラシで佐伯さんの頭を弄ったり…。


思わず目を離したくなるほどだった。




「…っ、」




ってか凄いな、高井さん。

こんなに酷いイジメをすぐに「助けよう」としてたなんて。



あたしがそう思っていると、高井さんがずかずかと女子トイレに入って、言った。




「いい加減にしなよ!」