“じゃあ、そのサエキさんってコを、茉友ちゃんが助けてあげればいいよ”




「!!」




“確かに、誰かを助けるのはコワイ時もあるよ。でもそれは絶対乗り越えなきゃ”

“友希のためにも、一歩ぐらい、踏み出してみよう?”




「…っ、」




…コワイ。

そんなすぐになんて立ち上がれない。

あたしは高井さんとは違う。


でも…、




「夏野さんはっ…?」

「!!」




あたしが心の中であれこれ考えていると、次の瞬間高井さんがとうとうあたしに話しかけてきた。




「夏野さんなら、一緒に行ってくれるよね…?」



そう言って、じっとあたしを見つめる。



確かに、知らない壁にあたっていくのは怖いけど…




「…い、行きます!」

「!」



あたしはそう言って、高井さんを見た。




独りじゃない。


高井さんもいるんだから。