「!!」
その聞きなれない単語に、一瞬にしてあたしの顔がぼん、と赤くなる。
ほ、星河先輩とキス!?
いや、あたしそんなことしたら緊張しすぎて死んじゃう!死んじゃうから!!
あたしがそんなことを思いながら赤い顔を隠すように下を向いていたら、菊池先輩は笑って言った。
「ま、アイツと付き合うのは何かと大変だよ。
恋人らしいことをするのはきっと異常に照れるからね、友希は」
「…」
うぅ、複雑だ。
まさかとは考えていたけど、もし「毎日一緒に帰る」から全く進展しなかったらどうしよう…。
そう思って独り頭を悩ませていたら、そのうち菊池先輩が言った。
「じゃあ、茉友ちゃんから誘ってみなよ」
「!」
「今度の週末にでも、二人でどっか遊びに行ってきたら?」
菊池先輩はそう言うけど、そんな勇気、このあたしにあるわけない…。
ってか、恋愛経験ゼロのあたしが好きな人をデートに誘うなんて、そんなの無理だよ…。
そう思って独りで照れていると、何故かやがて菊池先輩の声も聞こえなくなって、
不思議に思ったあたしは菊池先輩がいるだろう隣を向いた。
「…菊池先輩?」
ちゃんと、いるよね?
そう思いながら向くと、菊池先輩は何故か、真顔でじっとあたしを見つめていた。

