へたれ王子




菊池先輩…。


あたしはそんな菊池先輩の言葉に、思わず泣きそうになる。


やっぱ菊池先輩良い人だなぁ…。



そう思っていたら、ふいに菊池先輩が言った。




「ってかさ、茉友ちゃん」

「はい?」

「話変えるけど、友希とはちょっと進展とかした?」

「えっ」




し、進展!?

何でいきなりその話!?

ってか、星河先輩と付き合いだしてまだ三日目とかなのに!



あたしがそう思いながら「まだ進展なんてあるわけないですよ!」って言ったら、菊池先輩が不思議そうに言う。




「え、もしかしてまだ一緒に帰るくらい?デートの約束とかしないの?それか、どっか寄り道して帰るとか…」

「な、ないです!まだあり得ません!」



あたしがそう言うと、菊池先輩は「確かに、帰り道に寄り道は難しいかな」って独り言のように言った。




「…」



…そ、そうだよ。まだない。だって、あたしそんな恋愛なんて知らないし。

星河先輩から誘ってくれるのを待つしかないよ。



しかし、そう思っていたら、菊池先輩が言った。




「でもさ、言っとくけど、きっとアイツから何かを誘ってくることなんて、絶対ないよ」

「!…え、何かというのは…?」

「うーん…全部だよ。デートとか、手繋いだりとか、あと…



キス、とか?」